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これだけは知っておきたい失敗しない為の塗装マニュアル
| 塗装の仕上がりを左右する素地研磨 |
「木の加工が終わり、素地研磨が終了すれば、8割方終わったようなもの」という言われ方をする素地研磨、木質塗装の様々な場面での塗装ポイントを列挙してみます。
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◇塗装作業直前の素地研磨の必要な理由
無垢材では通常プレナー等木工加工の後、表面の切削ムラやダクを取るため#100〜#120の機械研磨作業を経て、木工部材や建材として準備が整います。
0.2ミリ〜0.5ミリの突き板を張り合わせた合板の場合は、#150番程度のワイドサンダーによる研磨作業後に市場に出る事が多いです。
これらの木工素材を塗装する際には、直前に塗装作業の一環としての素地の仕上げ研磨を施す必要があります。
この作業をすることにより、細かい傷やシミ、汚れを除去し、塗る塗料の浸透を均一にする大切な効果があり、素材のもつ鮮明性をアップします。
重要な点は、木目と平行に研磨する事(木目とクロスするような当て方はしない)と
荒いペーパー番丁から100番丁以上飛び越してペーパーを選ばない事です。
#100のペーパー足はその上に#240で研磨しても消えません。
#180番のペーパー足は同じく#320では消えません。
#100で粗研磨した素材は#180→#240→#320(導管の小さい緻密材に限る)という研磨ステップを取ることにより、ペーパー足の無い最適な塗装前状態になります。
また、注意したいのは、電動サンダーやベルトサンダーなど機械研磨と手研磨とでは、同じ番丁のペーパーを使用してもペーパー足の付き方が異なる点です。
機械研磨の方がペーパー足が深く入りますので、そのペーパー足を消すには、やはり同じ機 械研磨で番丁を上げて消す事が最良です。
特に電動オービタルサンダーはオービタル回転(渦巻き状の回転)により研磨しますので、木目とクロスしたペーパー足になり、思わぬペーパー目が残ることがあります。
塗装ツール 手研磨のコーナー 機械研磨のコーナー |
◇オイル塗装における素地研磨
オイル塗装は浸透性塗料の為、木の表面に塗膜は作らず、素地の研磨の出来が最終仕上げに大きく反映します。その為素地研磨は十分な配慮が必要となります。
材種により木の硬さ、木理の細かさが異なる為、最終仕上げのペーパー番丁は変える必要があります。
ナラ、オークなど広葉樹環孔材には最終#180〜#240、サクラ、ブナ、カエデ、ウォルナットなど広葉樹散孔材は最終#240、針葉樹は#240〜#320が適します。
また、オイル塗装ではウエット研磨と言って、1回目のオイル塗装の際に、オイルを塗った直後にペーパーや不織布、スポンジ研磨材などを使って塗った面を研磨する技法が用いられます。
たとえばナラ材で#180で素地研磨を終えた後、オイル塗りをして#240でウエット研磨するのも良いでしょう。ウエット研磨は吸い込み難い材(ナラ、オーク等堅木)などに用いますと、オイルの浸透を助長し、素材の鮮明性がアップします。
フローリングのオイルフィニッシュの場合には、工務店さんや建材メーカーなどが、あらかじめフローリング用に加工、素地研磨済みの無垢材を貼る場合が多いです。
最終#180程度の素地研磨が当てられている事を確認していただいて、塗り始める前に手触りでまず確認してみて下さい。
ケバが立っている部分は無いか、逆目でザラツキのある部分は無いか、特に柔らかい針葉樹などに荒いペーパーが掛けられてざらつくケースがございます。
#240で広めの範囲での素地研磨調整が必要です。
Q:フローリングでなるべくスベスベにしたいので#400→#500→#600まで研磨したいが良いか?
A:必要以上の細かい番丁での素地研磨は、逆にオイルの浸透を悪くし、逆効果です。細かい研磨粒子は木の表面の組織を磨くように固める為、オイルが浸透しにくくなります。
通常#240までを最終番丁とします。(一部サクラなど広葉樹散孔材や針葉樹で#320まですることもある) |
Q:フローリングオイル塗装で標準の使用量で計算したが足りなくなった。どうしてか?
A:オイルのような浸透型塗装では、オイルの材への吸い込まれ方によって使用量が大きく変わります。材種によってもずいぶん違いがありますが、注意したいのは素地研磨の状態で同じ材でも使用量がかなり変わることです。荒い素地研磨(#100〜#150)の状態では、材種によってはかなり吸い込みがあり使用量もかさみます。
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Q:フローリングオイル塗装で標準の使用量で計算したが余ってしまった。どうしてか?
A:上記と逆のケースですが、標準使用量は、何種類かの材種の吸い込み量を測定して算出するとともに、木をオイルフィニッシュによって保護する為に最低吸い込ませてあげたい量、とも言えます。
木の繊維質の緻密な材、比重の大きな材、まれに含水率の高い状態などでは、オイルの浸透性は悪くなります。
また、上記に挙げたように素地研磨をあまり細かくすると浸透性は悪くなる傾向です。カンナ掛けの場合でも同様の事が言え、超仕上げのカンナ仕上げなどでは、オイルが浸透しないこともございます。その場合には、表面を逆に#180〜#240サンドペーパーで木目方向に研磨して浸透を促す事が必要な場合もございます。 |
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◇ウレタン塗料など造膜型塗装における素地研磨
塗装スタイルとしては塗膜が付いて素材の悪い部分もカバーが出来る為、浸透型塗装よりは気を使わない部分はありますが、それでも最終#180で仕上げられる事が望ましいです。また素地着色を行う場合はより注意が必要です。
水性ステインやアルコール型着色剤を使う場合、目止め着色を行う場合などでは、材の堅さと吸い込みを見極めた上で、最低#180の最終研磨が必要です。
水性ステインやアルコール型着色剤の説明ナビページは >>> こちら
柔らかい針葉樹やブナやカバなど緻密な導管を持つ広葉樹散孔材などの場合には、着色時に色ムラになったり、汚れ感が出る場合があります。
最終#240以上の素地研磨をお勧めします。広い面積をサンダー研磨する場合は、#240で行った後、#320で足消しする方が良いと思います。 |
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| 想定外の塗装作業によるトラブルを回避する |
塗料はそれぞれの種類で、あらかじめ塗布する量や乾燥時間、工程、などの想定する範囲を持って造られています。その範囲を外れると様々なトラブルに直面する事になりがちです。
塗装はその作品や施工の最終段階ですので、是非ともトラブルを回避していただく意味で実際に起こったトラブルとその対策を挙げてみたいと思います。
| トラブル例1 乾かない |
■オイル塗料が乾かない
オイル塗装後、24時間経過しても、表面がベトベトしている。
表面に拭き取り残したオイルがフィルム状になって、中膿み(表面に薄い膜が張り、その下がグジュグジュと乾いていない状態)している。
原因:オイル塗布の際の拭き取りがムラや拭き取り忘れ・・・・・原因を誘発していることに、塗布量過多(厚塗りし過ぎ)が考えられる。
対策:なるべく薄塗りを心がける。ウエスでの拭き取りをキッチリ行う。
特に2回目のオイル塗料塗布の際には、1回目で吸い込みが抑えられている為、1回目ほど吸い込みがありません。その様な状態で厚塗りをすると、表面に漂うオイルが多すぎる為、どうしても拭き取りが甘くなります。このような原因でオイルのべたつき乾燥不良が発生するケースが多く見受けられます。
2回目ほど薄塗りで、キッチリとした拭き取りが求められます。
また、メンテナンスで再塗装をする場合も同様の注意が必要です。
■カシュー塗料が乾かない
表面にシワ(チジミ)を伴って、シワの下が乾いてない状態。
原因:一度に厚塗りし過ぎ。塗布粘度が高過ぎる。
対策:適量カシューシンナーで希釈し、一度の厚塗りを避ける。
この二つの事例ですが、塗料はまったく違っても、同じ原因で起きています。塗膜が過多になって、表面に膜が出来、空気を遮断するので内側がさらに乾燥が遅れ、最終的に乾かなくなります。どちらも酸化重合型塗料で、塗膜の表面より反応が起こるタイプである塗料の宿命です。
もし、オイル塗料の乾燥不良が発生したら、洗浄剤やペイントうすめ液などを布に付けごしごしと拭いて下さい。それでも取れない場合は、洗浄剤やペイントうすめ液などをベトついている部分に刷毛塗りし、直後に#240程度のサンドペーパー、ないしはスポンジ研磨材、スコッチブライトなどで研磨して下さい。研磨材に乾かないオイルがからんできますので、研磨材をこまめに換えて研磨する必要があります。
カシュー塗料の場合には、ヘラなどで取り除き、シンナーで拭き取ってから再塗装をする必要があります。 |
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| トラブル例2 泡が発生する |
■ウレタン塗料で仕上げたが表面に泡(気泡)がある
木の導管から発生した泡と塗料自体の泡、2つの現象があり、それぞれ原因と対策がございます。
木の導管から発生した泡
原因:導管から空気が出ようとした時、導管の上にある塗料層を持ち上げ気泡となる。また、タイミングによっては針の穴のようなピンホールになることもある。
導管より出ようとする空気と塗装した塗料が表面に膜を張るタイミングが重なることによって発生します。
対策1:リターダを添加して、塗料の表面乾燥を遅らせる。これにより導管からの空気は塗料が膜を張る前に抜けます。
対策2:シンナーを増やし塗料の粘度を下げる。(空気を抜けやすくします)目盛り付きの計量カップなどでシンナー量を量らずに重量比(量り)で計量する。詳しくは
>>> こちら
対策3:目止めやシーラーにより導管より空気の出を抑える。
塗料から発生した泡
原因:スプレー塗装や刷毛塗り時に塗料中に巻き込まれた気泡が抜けきる前に塗料が固まってしまう。また、ウレタン反応によって発生するガスも泡の原因となります。
対策1:シンナーを増やし塗料の粘度を下げる。(空気を抜けやすくします)目盛り付きの計量カップなどでシンナー量を量らずに重量比(量り)で計量する。詳しくは
>>> こちら
対策2:一度の厚塗りを避ける。
対策3:リターダを添加して乾燥を遅らせる。
対策4:A液・B液混合して、時間の経過した塗料の使用を止める。
■カシュー塗料で仕上げたが表面に泡(気泡)がある
粘度が高く、肉付きの良いのが特徴の塗料ですので、塗装粘度をキチンと管理しないとトラブルになりがちです。
木の導管から発生した泡
原因:カシュー擦り込み技法の欄で紹介している場合に、導管より発生する空気が原因で気泡が出来る場合があります。
対策1:ストップシーラーを下塗りする 参考工程
対策2:下地2号やRフィラーを使用して目止めをしてからカシュー塗料を塗る
塗料から発生した泡
原因と対策:刷毛塗りの際に余りすばやく左右に刷毛を動かしますと、塗料に泡が巻き込まれます。特に仕上げの場合など塗料を「くばる」ように乗せる方が泡の発生は少ないように思います。
また、スプレーでも塗料の希釈が少なくて粘度が高いのを、無理して空気圧を高くして吹いた場合などでも注意しないと泡が発生する事があります。
泡の上から弱いエアーブローをすると泡がはじけたりしますが、基本的には粘度を下げる事が肝要です。目盛り付きの計量カップなどでシンナー量を量らずに重量比(量り)で計量する。詳しくは
>>> こちら |
| トラブル例3 塗料がハガレる |
■研磨しないで塗ったら、後からハガレが起きた
塗装工程中の場合、直しの補修塗装の場合など様々なケースで塗り重ねが行われる訳ですが、造膜塗装の場合には研磨無しは常に密着不良の危険が付きまといます。
ウレタン工程でシーラーからサンジングへ、またサンジングからサンジングへと短時間のインターバルで塗り重ねの場合に、研磨無しで付着することはありますが、これは例外として工程間では軽い研磨でも足付けした方が安心ですし、塗ろうとする塗料の塗肌アップにもつながります。
補修塗装の塗り直しでは、必ず直前足付け研磨が必要です。
■塗り直しで、前の塗料が何か分からず塗ったら後でハガレが起きた
塗り直しで、足付け研磨をしたとしても、すべての塗料が密着する訳ではありません。
たとえ塗膜を作らない浸透型塗料でも言えるる事ですが、塗料の相性を見なくてはなりません。
たとえば、同じウレタンという名が付いていても、油性ウレタンの上に湿気硬化ウレタンまたは2液ウレタンは密着が悪く、その逆もだめです。
浸透性塗料でも、合成樹脂ワニスを主成分にする浸透性塗料と植物オイル塗料とは相性の悪い場合があります。
水性塗料の上に溶剤型のウレタン塗料も余り付着が良くなく、逆のウレタン(油性以外)の上に水性も付着する場合もありますがテストが必要です。
塗り変える場合には、目立たない部分で先に密着を見てから本番に掛かる必要があります。
■塗ったら、しばらくしてシワが寄り始めて、乾燥後ハガレが起きた
シワが寄る原因は、上に塗った塗料が下の塗料を溶かして、下の固まっていた塗膜が動き始めることから起きます。
要因として一番多いのが、下の塗料の乾燥(硬化)不良。
したがって対策としては、塗装工程の中で塗り重ねる場合には下の塗膜を十分硬化させる事となります。
どうしても工程を急ぐ場合には、加温したり、換気を良くして溶剤の発散を促し、硬化を早める手立てが必要となります。
また、塗装前に素材を加温するプレヒートが低温時には特に効果があります。
また、下の塗料が乾いていても、たとえばラッカーや油性ウレタンなど容易に侵されやすい塗料の上に強溶剤型ウレタン(2液型や湿気硬化型など)を塗った場合は、下の塗料が侵されブヨブヨと動き始めるのと同時に上塗りの塗料が乾き始める為、表面にクラック(ワレ)を伴なう場合がありトラブルとなります。この様な組み合わせは避ける事が望ましく、同じ種類の塗料を塗り重ねるのが最適です。
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| トラブル例4 シミ、色ムラ |
■塗る前は何も無かったのに、塗ったらシミが現れた
素地を着色する場合に多く発生するトラブルですが、浸透型のオイル塗装では透明塗りでもシミが目立つ場合があります。
新築でフローリングに何も塗らずにしばらく生活をされて、オイル塗装を塗ったらシミが現れた、というケースは良く見られます。
原因:何も塗られていない木の一部分に水分が染み込んで、一旦濡れ色になりますが乾くと元通りになります。そのまま気付かずに着色やオイル塗料を塗ったりしますと、前に水を吸った部分だけが他の部分より色が濃くなったり、透明塗装でも影が差して見えたりします。
水のシミた部分に、水が蒸発する時に生じたケバや、導管の状態など表面状態の変化が原因です。乾くと良く見ても分からないことがあります。
対策:着色したり、オイル塗装をしている時、シミを発見したら、すぐに塗装作業を中断して、素地の研磨作業に入ります。
オイル塗装の場合には、オイルを拭き取らずそのまま濡れている面をサンドペーパーやスポンジ研磨材で研磨しても良いでしょう。素地着色の場合には一旦乾かしてから研磨した方が無難です。
研磨は#180〜#240を使用し、シミの発生した部分をある程度強く研磨した後で、その部分を含んで広い範囲を力を弱めて研磨してください。局所だけの研磨で塗装に移ると色ムラが発生します。
■カラーオイルを均一に塗っているつもりなのに、色ムラになる
リボス/カルデットやオスモ/ウッドワックスなどに代表されるカラーオイル塗装は、浸透型塗装であるだけに、素地の吸い込みムラが即色ムラとなります。
施工される前に、必ず端材で着色具合の確認が必要です。
部分的な着色濃度の差も無垢の木の味なのですが、気になる方は下記の対策をお試し下さい。
対策1:着色をする前に、クリアーのオイルを捨て塗り(下塗り)する方法。
例えばカルデット/オークやウォルナットを塗ろうとする時、濃く付く部分と薄い部分のコントラストが強すぎて気になる場合 >>> カルデット/#002クリアーを先に塗っておくと、吸い込みムラが抑えられ、色のコントラストが弱くなります。カルデット/#002クリアーを塗った後は12時間乾燥させてから、カラーオイルを塗って下さい。ただし、素地に直接カラーを塗った場合に比べ、全体に色が薄くなりますので注意してください。
対策2:着色と塗料応用のページにも紹介しておりますように、カラーオイルを塗る前に着色剤で下着色を施す方法もございますが、カラーオイルを拭き取った後、薄く見える部分を同じカラーオイルを使って「タンポぼかし」する方法です。
「DIY塗装工房 床シミ跡補修」のページでも、タンポ(布を丸めて持ちやすく状態)を使って部分補修をしておりますが、同じ様に、薄く見える部分にオイルを付けたタンポを力を入れずに擦り動かすやり方です。
ただし、この方法はタンポ後の拭き取りはしない為、吸い込みの悪い堅い木に行うと乾きが遅い場合がありますので注意してください。
Q:オイルステインで着色した後、オイル塗料を塗ったが色ムラになった。どうしてか?
A:オイルステインはオイルの中に含まれる溶剤に侵されて溶け出します。気が付かずに拭き取りすると、オイルステインの混ざったオイルを拭き取る事になり、拭き取りムラが色ムラとなります。
また、せっかく塗ったオイルステインは溶けて無くなる為色の重なりは生まれず、深みのある着色とはなりません。オイル塗装に限らず、下着色をする場合には、上に塗る塗料に着色剤が溶け出さない組み合わせをする必要があります。
>>> 着色と塗料応用 を参考にしてください。 |
■オイル塗料(ウレタンなど他の塗料も同様)を塗ったら、色が濃くなってしまった
特にフローリングの塗装においてよくご質問を受けるテーマです。
無塗装の木の色を気に入って選ばれて、塗ったら色が違ってしまった・・・
針葉樹の白味の材(たとえばホワイトパインなど)の塗装前の木の色が気に入られて、塗装を施したら透明塗装のはずなのに、黄色(場合によっては薄い茶色)に色が付いてしまった。
原因:色が付いたのではなく、木が濡れ色になっただけです。何も塗っていない木が、水で染みになると、そこだけ濃く見えるのと同じ現象です。
オイル塗料など浸透型塗料などでは特に濡れ色になりなすので、塗る前との色の変化が激しいと言えます。
対策:まず、端材があれば実際に塗ってみて、その木の濡れ色を確認する事です。
もし、色の変化が激しすぎて気に入らなければ、浸透する塗料(たとえばオイル)の塗装はあきらめて、たとえばリボス/グレイボのような蜜蝋ワックスの類にするのも一案です。
しかし、蜜蝋などワックス類は、オイルに比べ汚れを取り込み易く、早めのメンテナンスが必要となりますのでご注意下さい。詳しくは >>> こちら
それ以外では、オイル塗料でも白木用という名称で、オイルに白の顔料を混入して、濡れ色になる色の変化を抑えようとした商品もございます。(たとえばエシャ/ワックスオイル/白木用)リボス/カルデット/202ホワイトにカルデット/002クリアーを混ぜて白味をコントロールしても同様のことは出来ます。
しかし、木の持つ白味とは異なる場合もございますので、注意が必要です。
■造膜塗装の仕上げが色ムラになる
木目を活かしながらの染色仕上げの場合には、刷毛ムラやスプレームラが色ムラとなって現れます。
仕上げですので、塗膜も付けなければならない、色も付けなければならないで、両方が一度で満足しないケースがあります。
プロの塗装職人でも色付け、仕上げと工程を分けて行うことが多いです。
対策:刷毛塗りの場合は着色剤の添加量を減らし、2回に分けて仕上げるようにする。
対策:スプレー塗装の場合には、色付け(塗料樹脂分を減らし、粘度を下げ、色を添加する)と仕上げ(透明もしくは薄く着色する)の2回塗装に分ける。
・着色(カラーイングとも呼びます)の基本配合
仕上げ塗料(2液ならA・B混合したもの)・・・・100
シンナー・・・・・200〜300
着色剤・・・5〜20程度
カラーイングはタレ易いので、吐出量を絞りスプレーガンの霧化圧は下げずに、霧化の良い状態で吹きムラの無い着色をします。
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| トラブル例5 はじき |
「トラブル3の塗料がハガレる」でも記載があるように、塗る前の足付け研磨は最低やらなければならない条件ですが、それでもおきる塗料のはじき現象は、塗る前の状態(塗膜)と塗ろうとする塗料との相性や処理により様々なパターンがございます。
■新築の床で、そろそろワックスを塗り変えようとしたらはじいて乗らない
新築時のフローリングに何らかのワックス(塗料)が塗られていて、メンテナンスをした場合に多く発生するトラブルですが、何が塗られていたかによって対応が異なります。
ケース1
新築引渡し前に、合成樹脂ワックス(樹脂ワックスとも呼ぶ)が塗られて、後にメンテナンスで植物系ワックスを塗ったところはじいてしまった。
原因:合成樹脂ワックスが植物系ワックス(油性・水性どちらも)を受け付けなく、浸透や表面への定着が損なわれているものと思われます。
対策:樹脂ワックスを除去する事が必要です。ワックス除去剤がある場合はそれを使ってある程度除去した後、全面を電動サンダーを使ってサンドペーパーで研磨します。
研磨は#180〜#240を使用し、樹脂ワックスの取り残し部分をある程度強く研磨した後で、その部分を含んで広い範囲を力を弱めて研磨してください。局所だけの研磨で塗装に移ると塗装ムラが発生します。
合成樹脂ワックスは、撥水性のある塗膜を形成し、木の呼吸を止めます。また、表面活性成分の働きで、油性・水性を問わず、塗料を受け付けません。
樹脂ワックスが汚れを取り込み塗り直す際は、やはり旧樹脂ワックスの塗膜は除去しなければなりません。
もし、フローリングの木の呼吸を殺さず、自然系の塗料で、後々までメンテナンスしてゆく計画でしたら、素地に樹脂ワックスは使わない方が良いです。 |
ケース2
メンテナンスで自然系植物オイルを床に塗ろうとしたら、はじいてしまった
原因:前に塗られている塗料が浸透型の塗料ではなく、ウレタンのような造膜型の塗料であることが考えられます。
対策:自然系オイル浸透させるには、旧塗膜をサンダーで全除去するしかありませんが、それが難しければ自然系オイル塗装はあきらめて植物ワックス(リボス/グレイボやオスモ/ワックスクリーナー)によるメンテナンスをする方が良いと思います。
■塗膜のある塗装をされたフローリングをウレタンで塗り替えようとしたら、はじいて乗らない
原因:旧塗膜が上塗りをはじかせる内容成分を持つ塗膜の場合か、又は合成樹脂ワックスが塗られているケースで表面への定着が損なわれているものと思われます。
対策:旧塗膜が上塗りをはじかせる内容成分を持つ塗膜の場合には、塗膜をサンダーで全除去するか、それが難しければウレタン塗装はあきらめてワックスによるメンテナンスをする方が良いと思います。
樹脂ワックスがコーティングされている場合は、樹脂ワックスを除去する事が必要です。ワックス除去剤がある場合はそれを使ってある程度除去した後、全面を電動サンダーを使ってサンドペーパーで研磨します。
研磨は#180〜#240を使用し、樹脂ワックスの取り残し部分をある程度強く研磨した後で、その部分を含んで広い範囲を力を弱めて研磨してください。局所だけの研磨で塗装に移ると塗装ムラが発生します。
■ウレタンのサンジングを研磨後にクリアーを刷毛塗りしたら、はじいて乗らない
原因:ウレタンサンジングを必要以上に細かい番丁(たとえば#1000)で研磨したりすると、表面がツルツルになりすぎて摩擦係数の低下により上塗り塗料の表面張力が増す為と思われます。
サンジング→上塗りだけでなく、上塗り→上塗りのケースでも同様のことは発生します。
対策:仕上げ前の最終研磨を#400〜#600程度に留める。
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| トラブル例6 保管中の塗料が固まってしまう |
塗料はその種類により様々な性質を持っていますが、その中でも空気と反応する性質のある物や体質顔料を含む物などは、保管中に塗料が固まったり、底に塊が出来たりする事があり注意と対策が必要となります。
固まる前でも粘度が上がった塗料や沈殿分離した塗料は、正常に塗膜形成が出来ず、塗装トラブルの原因となります。
■2液ウレタン塗料のB液が固まってしまった
原因1:ウレタン塗料のB液は空気中の水分と反応して固まる性質があります。また、熱にも反応することがあります。
B液のキャップは内栓付きの密封性の良いものですが、B液を取り出した際に出口の淵に付いたB液が内栓の溝に入り込みますと、それが固まってキャップがシッカリ閉まらなくなります。B液キャップを閉めたつもりでも、僅かに出来た隙間から空気が進入して、固まる原因になります。
対策1:B液を使用した後は、缶の出口をシンナーを付けた布で拭ってからB液キャップをして下さい。また、缶に少量残ったB液は、缶内の空気と反応して固まりやすい環境にありますので、適度に小さな保存缶に移し替えることも必要です。
原因2:B液を高温下に放置したり、温度差の著しい環境に保管すると反応性が高まり、温度差により空気の出入りが起こることもあります。
対策2:直射日光が当たったり、高温になる場所を避け、温度差の少ない場所で保管してください。
■湿気硬化型ウレタンが固まってしまった
原因:上記2液ウレタンB液と同様の事が考えられます。
対策:湿気硬化型ウレタンを使用した後は、缶の出口をシンナーを付けた布で拭ってからB液キャップをして下さい。また、缶に少量残った湿気硬化型ウレタンは、缶内の空気と反応して固まりやすい環境にありますので、適度に小さな保存缶に移し替えることも必要です。
高温下を避け、温度差の少ない環境で保管してください。
■カシュー塗料が固まってしまった
原因:缶ははめ込み式の為、缶の溝に入り込んだ塗料が固まりますと、上記の塗料と同様に固まることがあります。また、高温、温度差も原因となります。
対策:溝に入った塗料は、蓋を閉める前にシッカリ取り除き、蓋は当て木をしてトンカチでたたくなどしてキッチリ閉めてください。
また、蓋を閉める前に、塗料液面にカシューシンナーをたらして、混ぜずにそっと置いておくことで空気を遮断して保存性が高まります。
上記同様、 高温下を避け、温度差の少ない環境で保管してください。
また、カシュー塗料の場合は、固まる前に、表面に皮が張った状態になります。皮張りした初期でしたら皮を崩さずに取り除き、適度にシンナーで希釈して使用できることもありますので、適時判断してください。
■オイル塗料が固まってしまった
原因:上記カシュー塗料と同様のことが考えられます。
対策:溝に入った塗料は、蓋を閉める前にシッカリ取り除き、蓋は当て木をしてトンカチでたたくなどしてキッチリ閉めてください。
高温下を避け、温度差の少ない環境で保管してください。
また、種類によっては粘度が上がったオイル塗料を専用シンナーで薄めて使用できる場合もあります。(たとえばリボス塗料の場合には、初期で粘度が上がった塗料の場合には、スバロスで10%を限度として薄めて使用できますので、適時判断して下さい)
■2液ウレタン/サンジング・サフェーサーなどのA液、他種類の塗料のサンジング・サフェーサーなど体質顔料が混入された塗料において底に体質顔料が沈殿し固まる現象
原因:体質顔料は製造時には樹脂と練り合わされて一体となっていますが、徐々に比重の重い体質顔料分が沈殿分離してきます。
そのまま放置しますと、底に沈殿した体質顔料がカチカチに固まることがあります。
対策:体質顔料が配合された塗料は、その配合量によって定期的に撹拌する必要があります。
体質顔料が多量に配合されたサフェーサーなどは、月に1回程度缶を逆さにして良く振るなどして中身を撹拌して下さい。
サンジングなども1〜2ヶ月に一回は、撹拌をしておく方が使う段になって使用し易い状態となります。
ここにご紹介した塗料はごく一部の種類です。固まり易さの程度は塗料の種類設定により大きく異なりますし、保存環境により保存可能期間は大きく変動します。
塗料を高温下に晒さぬ事、温度差の大きな環境下で保管しない事、などはどの塗料にも共通する必要事項です。 |
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| トラブル例7 計量の失敗 (重さと容量 温度と粘度 の関係) |
■仕様書通り塗料を薄めたのに、粘度が高く塗りにくい
塗料を仕様書に従い30%シンナーを入れたが、塗りにくい
原因:シンナーを加える際に、容量(たとえば目盛り付きの容器)で量って加えたことが考えられる。また、低温時ですと、塗料の粘度が上がっていることも要因の一つ。
対策:シンナーを加える際には、塗料・シンナー共に上皿量りなどで重量を量り、重量比で加えるようにする。(今回の場合には、塗料100gに対してシンナーを30g加える)
また、低温時には塗料粘度が上昇するので、使い易い粘度に下げる為には規定量より少々多めのシンナーを添加する必要がある。
■2液ウレタンのB液が余ってしまった
セットで購入した2液塗料が、A液が無くなったのにB液は少し余っている
原因:上記のシンナーの例と同じくA液・B液を容量で計量して配合した、と思われる。
対策:2液ウレタンのB液も、A液に比べ比重が軽いものが多く、容量比では狂いが生じるケースが多く見受けられます。混合比の狂いは、ウレタンの反応率にも影響を及ぼし、その塗料の本来の性能を十分発揮できないケースもございます。
2液反応型ウレタン塗料などは特に重量比(上皿はかり)での計量が望ましいと思います。
塗料の説明書などで、希釈割合や配合比などの記載があるのは、殆どの場合 重量比です。
水は比重が1ですので、100ccの水は100gとなり、容量で量っても狂いはありません。
しかし、シンナーなどは1より比重が軽く、100ccを計量しても80gちょっとしかない物もございます。反対に塗料は中には比重の1より重たい物もございます。そんなケースでは、容量(cc)で量って、塗料に対して30%シンナーを加えたつもりで、実は20%も入ってないといった事にもなります。
また、2液のウレタン塗料のA液(主剤)の中には比重が1より大きい物も見受けられます。B液は比重の1より少ない物が多いですので、A液:B液=1:1で配合するウレタン塗料を容量比で計量したら、1:0.8にしかなってない、などというケースも見受けられます。上皿量り(重量)などによる計量が必要だと思います。
塗料の粘度は気温により変動します。 塗料の説明書に記載される基本的データは、15度〜20度での設定が多く見受けられます。それは日本の気温として標準的な温度でのデータに基づき作られたものです。液体である塗料は、殆どのものがこの気温の変動によって粘度が変化します。
標準気温より低くなれば粘度は高くなり、逆に高くなれば低く変化します。気温に応じたシンナーの選択や添加量が求められます。
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| トラブル例8 色変わり・黄変 |
■室内にオイル塗料のクリアーを塗ったが、だんだん色が濃くなってきた
原因:オイル塗料は、別の項でも触れていますが、酸化反応により乾燥するタイプの塗料です。その為、天ぷら油が使用すると共に酸化し色を増す様に、オイル塗料も木に浸透しながらも時間と共に酸化反応し色合いを増してきたと考えられます。俗に「焼けてくる」と表現される現象です。
対策:オイル塗装の経年変化を好まれない方は、オイルのクリアー塗装は避け、薄くでも着色オイルを使用し、木に着色をする事で経年変化を少なく感じられるようにする方が良いと思います。
ただし、着色オイルを用いても、経年色変化はゼロでない事はご承知下さい。
■室内の床にウレタン塗料を塗ったが、日当たりの良い箇所で部分的変色した
原因:ウレタン塗料や素地が、直射日光等の紫外線によって変色を起こしたと思われる。
説明と対策:ウレタン塗料は、2液型主剤・硬化剤、1液型(溶剤型・水系)などその樹脂には多くの種類があり、その特性も様々ですので一概に論じる事は出来ません。
この項は、紫外線などがウレタン塗料に色の変化をもたらす「黄変」という現象のことを説明しますが、木材用に設計されたウレタン塗料はその程度に差があるものの、この黄変という現象はゼロではありません。しかし、家屋の内装木部に使用するウレタン塗料としては、当店のラインナップは実用上標準以上のレベルです。
また、当店では、白木用としてユニガードという無黄変塗料と銘打った塗料を用意しております
>>> こちら
この塗料は、黄変し難いアクリル樹脂と無黄変硬化剤からなり、紫外線吸収剤なども配合する事で高度な黄変対策が備わった塗料です。
しかし、それではすべてのウレタン塗装にこのユニガードを塗れば良いかと言えばそうではありません。ウレタン塗装はその求める性能により、様々な選択肢があり、逆に言えばオールマイティーは無いと言えるからです。
たとえば、当店のラインナップの一部で説明しますと、
耐黄変性:ユニガード > スーパーストロン > ストロン2800クリアー(左ほど優秀)
肉持ち(光沢):ストロン2800クリアー > スーパーストロン > ユニガード(左ほど優秀)
乾燥性:スーパーストロン > ユニガード > ストロン2800クリアー(左ほど優秀)
となります。
上記のトラブルでは、まず直射日光のあたる環境は塗料的には厳しすぎる条件ですので、日光を避ける手立てが求められます。
また、ウレタン塗装の観点では、透明塗装ではウレタン塗膜がレンズ効果となり素地の焼けを増幅しますので、どうしても色変わりは避けられず、木の色を透明で保つのであれば、ユニガードも一つの選択となります。通常はスーパーストロン又は1液性ウレタンフロアーM、ストロン2800クリアーなどが実績を持って使われており、場合によっては着色を組み合わせて塗装されています。
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