オイル塗料の自然発火についての説明
オイル塗料は自然発火の危険性があると聞いて、使うのをためらっていらっしゃる方から良くお問い合わせをいただきます。
自然で安全なはずの植物オイルですが、拭き取りに使用した布や塗装に使用したスポンジや刷毛等の処理だけは注意が必要です。それさえ気を付けられれば安全で快適なオイル塗装ができます。

質疑応答形式で分かり易く説明をさせていただきます。

どのような仕組みで火が出る事があるのですか?
アマニ油や色々な種類の植物油は乾性油と呼ばれ、その植物乾性油は乾燥する過程で、空気中の酸素を吸収し、酸化反応によって乾燥に至る訳ですが、その際に微量の酸化反応熱を伴います。
ベットリと油を含んだ布や紙などを何枚か重ねて置いて放置しますと、この酸化反応熱が蓄熱し、発火することがあります。
その時の湿度、温度、油の含み方、重ねた枚数などの諸条件により発火する度合いはまちまちですが、発火の危険性があります。

布は広げて置けば良いと聞きましたが・・・
油を含んだ布や紙などを一枚の状態でさらして広げて置くと発火することは殆どなくなります。熱が放散して蓄熱しない為です。
だからと言って、この広げての布の処理方法は危険性がゼロではありませんのでお勧めできません。

どの様な処理方法が確実ですか?
布やスポンジ、紙などを廃棄する場合は、水に浸けるなどして十分に水分を含ませて保管し、燃えるゴミの日に所定のビニール袋に入れて燃えるゴミとして処分して下さい。

どのオイル塗料も同じように注意が必要ですか?
この発火現象は酸化反応により乾燥する塗料すべてに当てはまるものでして、オイル塗料は殆どすべてのメーカーのものが当てはまります。
また油性ペンキの類や家庭で料理に使う天ぷら油なども同様の発火の危険性があり、拭き取った布等には注意が必要です。

容器のオイル塗料そのものや塗った木材は発火しないのですか?
容器の塗料は表面の酸化反応のみである事と、蓄熱しない為にそれ自体から発火することはありません。同様の理由でオイル塗料を塗った木材自体が発火することはありません。