「クノスはメルドスやアルドボスと何が違うのですか…?」
というご質問を良くいただきます。
- メルドス・アルドボスとクノスの一番の違いは浸透性です。
メルドスやアルドボスはクノスに比べ浸透力が優れ、木の深い部分まで浸透して固め、優れた撥水性で水の浸入を防ぎます。
一方、クノスは表面層にごく薄く層を造り、強力な撥水効果を生み耐久性を発揮します。
-
- 性質の違う両者を組み合わせることにより、木にとって最良のコーティングが出来ると考えます。
-
- たとえば、クノスで仕上げられたフローリングが経年の歩行磨耗や生活磨耗によりダメージを受け、表面のクノスが薄くなったり剥げたりした時、その下にメルドス、またはアルドボスがシッカリと浸透していてカバーしている状態がベストであると考えます。その状態であれば、クノスを薄く塗布していただくメンテナンスで、フロアーは元の撥水性の優れた状態に復元できます。
すなわち、台所廻や脱衣場など耐水性、耐汚染性の求められる場所にはメルドス(針葉樹)またはアルドボス(広葉樹)を下塗りしてクノスで仕上げられるのが最良の工程です。下の標準塗装工程をご覧下さい。
数々の施工例で申しますと、廊下やリビング全般はメルドス又はアルドボス2回塗りで仕上げ、台所廻や脱衣場などをメルドス又はアルドボス1〜2回の下塗りの後クノス1〜2回で仕上げられているケースが多いです。
- また、カルデットで着色をされる場合は、カルデットの1回塗り分をメルドスまたはアルドボス1回分として計算されればよろしいかと思います。
「撥水力の強いクノスを素地から何回か塗りたい…」
というご相談をいただきます。
- 吸い込む部分と吸い込み難い部分が混在していない木材の場合でしたら、素地からクノスを塗り込んでいただいて差し支えないと思います。
- しかし、クノスは上記にもありますように表面層にごく薄く層を造りますので、吸い込みムラの激しい材に直接何度も塗り込みますと、吸い込み難い部分の艶が出て艶ムラに見える事がございます。
- そのような場合には前出のようにメルドス又はアルドボスを下塗りした後、クノスで仕上げていただければと思います。
|
◆クノスの内容成分
アマニオイル・アマニ/スタンドオイル天然樹脂エステル・アマニ/ウッド/スタンドオイル・非常に透明な酸化鉄・二酸化チタン・天然樹脂グリセリンエステル・アマニ/スタンドオイル・オレンジピールオイル・イソアリファーテ・珪酸・マイクロワックス・パインオイル・ローズマリーオイル・無鉛乾燥剤
|
◆クノスを用いた代表的工程
用途>>フローリング・室内木部・家具・造作物
|
選択する材料 |
使用する道具 |
乾燥時間 |
注意点 |
1 |
素地研磨 |
最終
#240サンドペーパー |
|
素材の程度に応じて荒い番丁から始め最終#240 |
2 |
メルドスハードオイル(針葉樹)
アルドボス(広葉樹・導管深い材) |
オイルブラシ・コテ刷毛 |
12時間 |
5〜20分後(夏場は3〜5分、冬場は10〜20分)に表面に残った塗料を拭き取る |
3 |
ケバ取り研磨(ケバの無い時は省略) |
#400サンドペーパー |
|
やさしく研磨 |
4 |
クノス(3分艶あり) |
オイルブラシ・コテ刷毛 |
24時間 |
5〜20分後(夏場は3〜5分、冬場は10〜20分)に表面に残った塗料を拭き取る
|
注意:拭き取りに使用したウエス等は自然発火の危険がありますので、水に浸すか、密閉した缶に収納して処理下さい。 |
|
◆メンテナンスについて
◇台所・脱衣所・洗面所・トイレなどの水周りの床・フローリングなどのメンテナンスは、ワックスを使わずに同じクノスを用い、布に少量塗料を付け薄く伸ばし塗りをします。
◇それ以外の木部のメンテナンスはクリーナーを兼ねて「グラノス」で行います。
|
◆クノスの標準塗装面積(木の種類・状態により変化します)
標準塗布量 |
|
0.75Lで塗れる面積 |
2.5Lで塗れる面積 |
一回目の塗り込みの必要量 45cc/平米 |
一回塗りの場合 |
約16平米 |
約55平米 |
二回目の塗り込みの必要量 12cc/平米 |
二回塗りの場合 |
約13平米 |
約43平米 |
|