室内用塗料の性能差・使いやすさ
素材を保護するという観点から言っても塗膜の性能は重要なポイントです。
塗料は屋内用と屋外用で異なる設計のものが多く、性能は同一基準で判断できません。
ここでも大きく分けて油性と水性の分類となります。
■屋内用塗料 屋内塗装のナビゲーションは >>> こちら
外部と違い屋内では塗料のレパートリーが多くなります。それは塗るものも多様になることばかりか、【希望の仕上がり】の欄でも上げましたが、仕上がり希望が多様化する為です。
浸透型であまり表面には塗膜らしい塗膜をつけない塗装、塗膜はつけるものの薄膜で木の表情を残した造膜塗装、木の表面に丈夫で厚い塗膜を付ける塗装、と様々です。当然ながら最後の厚い塗膜をつける塗装が一番耐久性能は上がります。
また、塗料の種類はやはり油性(溶剤型)と水性とに大別されます。
それぞれの塗料で上記の様に、塗膜のつけ方で耐久度が変わり、うす塗りよりは厚塗りの方が耐久性は向上します。
- 浸透型塗料
油性・水性でも浸透型は薄くしか塗れませんので、木の呼吸を止めないで湿気の吸収放散を妨げない利点はありますが、耐久性は一番下のランクになります。従いまして、この浸透型塗料は、日常的メンテナンスや定期的な塗り替えと切り離せない塗装である、ことを理解した上で採用していただく必要があります。
リボス・オスモ・エシャ・オリオ2・ワトコオイル・ネオグレーズなどの油性オイルは、天然原料を成分に使用した塗料です。
自然原料にこだわらず、より耐久性、塗膜性能の高い塗料を求める方には、ワンダー水性1液型・アクレックス
ネオステインなどの水性塗料のレパートリーがございます。
水性2点は造膜型上塗り水性ウレタン(フレッシュアクアF・アクレックス木部用クリアー)がありますのでこれを塗る事でさらに飛躍的なほど耐久度は向上します。ただし、木の呼吸は止める方向に向かいます。
また、浴室の木部(浴槽を含む)などにも塗れる耐久性、耐水性の高い塗料として木肌一番がございます。この塗料は木の呼吸性を維持します。
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- 造膜型塗料
造膜型は塗膜の厚みで耐久性が変わります。
水性塗料の造膜タイプはアクレックス木部用クリアーとフレッシュアクアFという業界を代表する水性ウレタンがございます。その性能は微差あるもののいずれも溶剤型に近づいた高性能を持ちますが、溶剤型と比較すると耐薬品性・耐溶剤性などで若干の性能が劣ります。
それぞれの塗膜性能はこちら >>> アクレックス フレッシュアクアF
塗りつぶしタイプでは水性自然塗料「バターミルクペイント」がございます。
溶剤タイプは1液型と2液型に別れ、使い勝手の良い1液型はEGジャストワン・ウレタンフロアーMがあります。
2液型に比べると塗料の種類が少なく若干肉付きも劣りますので、鏡面にまで塗膜の厚みを持っていくのは大変ですが、同じ塗料を何回か塗り重ねる塗装には向いています。
溶剤型ウレタン選択ガイドは >>> こちら
2液タイプは塗料の種類が圧倒的に多く、木目を活かす塗装や塗りつぶし塗装、うす塗りから鏡面まで自由自在な表現が可能です。
木目を活かす薄塗り工程は >>> こちら
- 木目を活かした鏡面工程は >>> こちら
塗りつぶし鏡面工程は >>> こちら
仕上がりの耐久性能は膜厚にもよりますが、最終クリアー(フラット)自体の性能によっても左右されます。
塗膜性能の一つ耐黄変性に関連して肉持ち・乾燥性の比較については >>> こちら
着色など同じ用途に使われるものでも、油性(溶剤系含む)と水性の両方のタイプがある場合があり、どちらが使いやすいのか?という判断が生じます。以前は刷毛の伸びが油性の方が良いという定説がありましたが、現在ではそんなに差が無い程度になっています。
オイル塗料は塗装時、乾燥時にオイルの油臭がしますが、水性塗料は殆ど無臭に近いものです。
■植物オイル塗料と水性オイルタッチ塗料
屋内浸透塗装のナビゲーションは >>> こちら
リボス/カルデットとワンダー水性1液型又はアクレックスネオステイン
三者とも粘度は低く塗りやすい塗料で差は殆ど感じないと思います。
植物オイルでもオスモカラー/ウッドワックスなどは少々粘度がありコテバケ等の道具が適します。
塗りつぶしタイプでは水性自然塗料「バターミルクペイント」が塗り易い塗料です。
■内部の水性ウレタン塗料と溶剤型ウレタン
屋内ウレタン塗装のナビゲーションは >>> こちら
溶剤型ウレタン選択ガイドは >>> こちら
アクレックス木部用クリアー、フレッシュアクアFとハンディーウレタン、1液ウレタン
同じ水性ウレタンでもアクレックスとフレッシュアクアは組成が異なります。
塗りやすさの差は殆どありませんが、塗っている時に白く見えるアクレックス(乾くと白味は消える)と比較すると若干とろみがあって透明なフレッシュアクアFでは対照的です。
溶剤型にも同じ1液型ウレタンがあります。水性に比べれば幾分は塗りやすいと言えますが、逆に臭いはきついです。
ハンディーウレタン2液性も臭いは同様ですが、塗料の種類が多く、一概に論じられません。
塗料自体の塗りやすさの違いもさることながら、希釈の割合、希釈するシンナーの乾燥速度などにより塗りやすさは変化します。
中には刷毛塗りが難しくスプレー向きのものもございます。 |