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DIY塗装工房のコーナーでもご紹介してありますが、新感覚うるし塗料「うるしファイン」を使った擦りうるし塗りの工程を説明します。けやきのお盆を塗り回数3回で仕上げました。

最初の写真が塗る前の状態、次に#240→#320→#400サンドペーパーを使って入念に素地研磨をします。ここでの表面状態が最後の仕上がりの良し悪しを左右しますのでしっかりツルツルになる様に研磨します。研磨が終ったら表面の粉はウエスで拭き取ります。

市販の生漆に相当するのが「新精漆 擦り漆#5」です。精製漆といって生漆の不純物を取り除いたもので、乾燥が速く良い光沢が特徴です。
プロの漆職人は漆を薄めずに摺り込みを行う事がありますが、高い粘度での塗り込みや拭き取り作業は慣れないと大変です。ここでお勧めしたいのが、擦り漆#5をテレピン油で薄めて使用する擦り漆塗りです。これならカシュー刷毛で塗り込みのコントロールをしながら塗れますし、擦りこみ→拭き取り作業も容易に出来ます。
今回は、新精漆擦り漆#5をチューブから容器に出しテレピン油で50%程薄めます。

カシュー刷毛を使って第一工程の擦り漆#5を塗り込みます。オイルの塗り込みと変わらない感じでスムーズに塗れます。塗り込みが終わったらすぐにウエスを丸めた物で渦巻き状に動かしながら漆を擦り込んでいきます。一通り擦りこみが終わったら綺麗なウエスで拭き取り作業に入ります。この感覚もオイルフィニッシュと同じです。上右写真 拭き取り作業終了。
漆を薄めて塗る事の利点はお分かり戴けたと思いますが、一つデメリットとしては漆を薄めた分だけ素材に塗られた漆の皮膜が薄くなる事です。ですから擦り漆だけで光沢のある仕上がりにするには数回余りの擦り漆塗り工程が必要になります。

そこで皮膜の薄さをカバーし、塗り回数を最小限に抑える事を可能にする塗料が「うるしファイン木固め」です。この塗料はA液/B液/うるしファインシンナーからなる二液性ウレタン塗料で、A液の中に漆を含有しています。その為擦り漆との相性も良く、素地を固め強化する役目をします。左写真では擦り漆の後一晩経過してから「うるしファイン木固め」を塗り込んでいます。一晩で木固めが塗れるのも、「擦り漆#5」の乾燥が速い為です。白毛の刷毛を用い刷毛目の立たない様に塗ります。ニスを塗る感覚です。

木固めを塗って一晩後、二回目の擦り漆を行います。木固めの塗膜が擦り漆の皮膜を造るのを助け、漆独特の光沢のある仕上がりになりました。

今回は擦り漆→木固め→擦り漆という工程で進めましたが、吸い込みのキツイ材種の場合、ともすると漆が染み込んで汚れ感のある仕上がりになる事があります。そんな場合には、木固め→擦り漆→擦り漆といった工程を踏むことにより、あっさりとした色合いの仕上がりが可能になります。
逆に濃色の漆塗りを求められている方には、「うるしファイン木固め」OFステイン(染料着色剤)またはリベラカラー(顔料着色剤)を混入することにより、色味と色の濃度が自由自在になります。まさに漆塗りの新しいスタイルと言えます。


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