施工方法
色の重なりの妙、表現自由自在のオイルフィニッシュ
Step-Before

素地着色剤と着色塗料をいくつか組合せることによって深みのある塗装を再現してみます。
今回は「コンビステイン」という素地着色剤とリボス自然塗料から「カルデット」「クノス」を組合せ、さらに「ブライワックス」を重ねて工程を組みます。

Step-1 素地着色剤「コンビステイン」を使用して素地着色

1:素地着色剤「コンビステイン」を使用して素地着色
2:
塗装板1の配合
・コンビステイン/ウォルナット・・・30g
・コンビステイン/ブラック・・・10g
・コンビシンナー・・・80g

塗装板2の配合
・コンビシンナー/ウォルナット・・・10g
・コンビシンナー・・・50g

※コンビステイ2色は色味・濃度とも配合を変えています。
塗料を塗り重ねたときの発色の違いをステップ2でお確かめください。

Step-2 「リボス自然塗料/カルデット」を塗り重ねます

1:塗装板1と塗装板2にリボス自然塗料「カルデット/062ウォルナット」を塗ります。左から3番目の写真はカルデットを塗った直後、浸透を待っている状態です。
2:この後、何も塗っていない板にも同じカルデット/ウォルナットを塗り塗装板3とします。
3:右端の写真は、塗装板3枚とも、塗装後10分放置してウエスで拭き取り下状態です。
この様に、下地の色(3は素地のまま)を変えることにより、同じカラーオイル(カルデット/ウォルナット)を塗っても全く違う色に表現できます。

※ カルデットを塗った直後は、板は濡れ色感があり木目も生き生きしています。反対に拭き取った後は濡れ色感が薄れ、落ち着いた艶に戻っています。このことで分かるのは、この材は、カルデット1回では十分にオイル樹脂が浸透しきれなく、まだオイル樹脂が浸透して材に含まれる余地を残している、という事です。


Step-3 「リボス自然塗料/クノス」をさらに塗り重ね

1:左写真:「リボス自然塗料/クノス」を刷毛塗りして、10分放置している状態。
2:右写真は、10分後にウエスで拭き取りをした状態。

※ステップ2で述べたように、もう少し濡れ色感を出して仕上げる為、リボス自然塗料の中でもっとも表面に塗膜感の残る「クノス」を選択しました。

※クノスは透明ですので色味は変わりませんが、塗りあがった状態で、ステップ2と比較すると濡れ色感が増し、木目が引き立ったのが分かります。

Step-4 「ブライワックス/ラスティックパイン」でアンティック仕上げ

1:左端写真:エッジを剥がさぬよう「スコッチブライト切れるタイプ#320」を使って、ケバ取り研磨をします。
2:右次の写真は、「SPエクステリアペイント グラフィックブラシ」を使って「ブライワックス/ラスティックパイン」を塗り込みます。 同時に刷毛の腰を使って薄く延ばし塗りをしながら、表情を作ってゆきます(face making)。
次の右写真、30分程度乾燥させてから、シンナーで洗って綺麗にした「SPエクステリアペイント グラフィックブラシ」を強く表面に押し付け左右に動かし、ブラッシングして艶を出します。
3:右端仕上がった写真。ステップ3のクノスの状態から、表情が豊かになったのが分かります。

※このブライワックスで仕上げる工程は、場合によって省略しても構いません。

※また、逆なことですが、ブライワックス仕上げを行う際に、今回の工程で言えば、ステップ3のクノスを省いても構いませんが、省けばその分ブライワックスは素地に吸い込まれ、オイル感は損なわれます。