◇アルコール系顔料着色剤「コンビステイン」と
アルコール系染料着色剤「パイルステイン」を効果的に使う
水性ステインと同じように木の素地を着色し、上に塗る塗料とのコンビネーションにより深みのある着色塗装をするのに効果的な着色剤としてアルコール系着色剤があります。
メタノールというアルコール溶剤を主体として使用している為、水性ステインよりも乾燥が速く乾燥後の毛羽立ちも少ない特徴があります。
顔料タイプのコンビステインと染料タイプのパイルステインの2種類があります。
■コンビステインは色ムラの少ないやわらかで導管の引き立った着色に向いています。右の塗装見本は、ウォルナット材の赤太と白太の色違いを、コンビステイン/ウォルナット色を用いて、それぞれを希釈率を変えることで同一の材に見えるように着色を施した例です。リボスのアルドボスで仕上げていますが、違和感の無い仕上がりとなり、この事で無垢材の製材する際の歩留まりもずいぶん良くなるはずです。右写真クリックで拡大します。 塗り分けの難しい場合はどうしたら良いか
右写真の場合ですと、白太部分をもう少し濃く(4〜5倍希釈)して塗り、その後白太部分含め全体を15倍で塗る方法が良いと思います。白太部分は多少色が動きますので手早く塗る必要があります。
この様に濃色から淡色まで自由に着色が出来るのがコンビステインの利点と言えます。
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■パイルステインは着色力を効かせた鮮やかな木味の着色塗装に向く素地着色剤です。
パイルステインを原液又はそれに近い濃度では使わないでください。オイル塗装が薄い場合に、仕上がって水拭きして色が移る場合がございます。
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左は杉板にパイルステイン/P01ブラック100ccに対しコンビシンナー350ccで配合したもので刷毛塗り着色した後に、メルドスハードオイルで仕上げをした状態です。
木目の引き立ったオイル塗装になっています。 |
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右は同じ杉材にコンビステイン/ イエロー10g・ブラウン12g・ホワイト100gの配合に対し、コンビシンナーを2リットル配合したもので刷毛塗り着色した後に、メルドスハードオイルで仕上げをした状態です。色ムラの無い柔らかな雰囲気の仕上がりが実現します。 |
このように着色剤と塗料を組み合わせる事により、普通ではなかなか出しえない色合いを表現でき、オリジナリティー溢れる仕上がりが可能となります。
また、このように着色剤を素地に塗る事は、樹脂と着色剤が混じった状態のカラー塗料を塗るよりも色ムラが少なく、均一な着色が可能である言えます。上のアルコール着色剤の写真でもございます様に、素地着色を施してから透明オイルを塗るといった塗装工程は、吸い込みムラによる色ムラの発生が少ないカラーオイル塗装の一案だと思います。 |